eUICC対応IoTハードウェアに関する情報:プレーヤー、モジュール、仕様

eUICCの機能は、IoTの広がりにおいて、柔軟にかつ組み換え可能な環境を促進する要素の一つです。eUICC機能を持つIoTソリューションを構築するには、IoT接続プロバイダやSIMプロバイダの選択から始まり、eUICC IoTハードウェアの選択も含め、バリューチェーン上の重要な要素すべてについて互換性を確認する必要があります。以下に、eUICC対応のIoTハードウェア、モジュール、チップセットに関する主要な機能、トレンド、関連プレーヤーについての包括的なガイドを提供します。これにより、IoTエコシステムにより詳しくなることができます。
  1. IoT市場におけるeUICC互換モジュールとは?

    1. eUICCの機能

      「eUICCモジュール」というIoTモジュールのカテゴリは存在しないことを理解する必要があります。トップモジュールプレーヤの提供する上位機種で、eUICC機能を組み込み済みまたはサポートしますが、それ以外では搭載していないかもしれません。古いモデルになると、この機能に対応していないようです。また、形状や組み込み型などのフォームファクタ、ローミング契約、補完的なネットワーク技術のサポートなど、eUICC SIMの仕様も考慮する必要があります。各プロバイダの特定のモジュールがeUICCをサポートしているかどうかの汎用データベースは存在しないため、常にハードウェアの仕様を確認し、ベンダーに問い合わせることを強くおすすめします。

    2. eUICC – 対応モジュールのベンダーとモデル

      信頼できるIoTハードウェア業界のモジュールプロバイダーのリストは非常に長く、Thales、Telit、Sunsea AIoT、SIMCOM、u-blox、Quectel、およびSierra Wirelessなどが含まれています。ただし、特定のプロバイダーのモデルがeUICCに対応しているかどうかを確認することがより重要です。いくつかの例を見てみましょう:

      • Thales Cinterion PLS8. eUICCに対応した4G LTE Cat-1モジュールです。モジュールの最大ダウンロード速度は最大100Mbpsで、最大アップロード速度は最大50Mbpsです。温度範囲は-40℃から+85℃です。このモジュールは特定の地域に限定されずグローバルなカバレッジで動作します。詳細はこちらでご確認ください。

      • Sierra Wireless MC7421. MCシリーズの一つであり、高速な接続性を提供する最適化された4G LTE接続モジュールです。最大ダウンロード速度は300Mbps、アップロード速度は100Mbpsで、sXGPをサポートし、PCI Express Mini Card規格に基づいています。温度範囲は-30℃ / +70℃、-40℃ / +85℃です。EMEAおよびアジア太平洋地域をターゲットにしています。詳細はこちらでご確認ください。

      • SIM7100E by SIMCOM. 4G LTE、3G、2Gをサポートし、SIMComのSIM7100シリーズの一つです。SIM7100Eの最大ダウンロード速度は100Mbps(4G LTE)、最大アップロード速度は50Mbps(4G LTE)です。標準のmini-SIM(2FF)カードを使用しています。このモジュールは、世界中のさまざまな地域で、通常-40℃から+85℃の温度範囲内で動作するように設計されたグローバルモジュールです。

      • Quectel EC21-EU. 4G LTE、3G、2Gに対応しており、Quectel EC21シリーズの一つです。最大ダウンロード速度は300 Mbps、最大アップロード速度は50 Mbpsです。標準のmini-SIM(2FF)カードを使用しています。このモジュールは主にヨーロッパ市場向けに特別に設計されていますが、互換性のあるネットワーク周波数に対応していれば他の地域でも使用可能です。EC21-EUの動作温度範囲は-40°Cから+85°Cと規定されています。Quectelモジュールについて詳細を見る。


      上記で言及されたモジュールに加えて、eUICC機能をサポートする他のモジュールについてまとめました。以下のリストは机上調査に基づいています。お客様の特定のユースケースに必要なeUICC機能については、直接メーカーにお問い合わせいただくことをおすすめします。


  2. その他のeUICC搭載モジュールの機能

    1. ラジオアクセステクノロジー(RAT)(2G、3G、4G、5G)および各カテゴリ(最も一般的なものにはLTE Cat 1、LTE Cat 1bis、LTE-M、またはNB-IoTが含まれます):適切なオプションを選択するには、IoTデバイスが展開される場所、規模(デバイスの数とその範囲)、データの要件(転送データのボリュームと頻度)、およびこれらの要件・機能を導入する際の総コストなどの情報を確認する必要があります。 


      周波数帯とHSPA+:

      デバイスの仕様には必ずしもサポートされる周波数が記載されているわけではありません。代わりに、通常はサポートする周波数帯の数が表示されます。HSPA+は、「進化したハイスピードパケットアクセス」またはHSPA Plusとも呼ばれる、高速データ転送速度を提供するワイヤレスブロードバンド規格です。最大で42.2メガビット/秒(Mbps)のデータ転送速度に達することができます。HSPA+は、従来の3Gと4Gの技術の機能を組み合わせて高速な接続を実現するハイブリッドネットワークとして機能します。つまり、HSPA+は伝統的な3Gと4Gネットワークに関連する高速通信の橋渡しとなります。HSPA+は特定の周波数帯で動作し、その周波数帯はネットワークオペレーターや通信する場所によって異なります。例えば、B1はBand 1を指し、2100 MHzの周波数帯に対応します。B2はBand 2を指し、一般的に1900 MHzの周波数帯に対応します。これらの周波数帯はHSPA+ネットワークで信号の送受信に使用されます。


      データ速度:

      IoTモジュールを選ぶ際には、IoTアプリケーションのデータ送受信速度要件を考慮することが重要です。各IoTモジュールは、セルラー通信技術によるピークのダウンロード速度とアップロード速度を含むデータ速度を明確に示します。例えば、4G LTEモジュールは数百Mbpsのピークダウンロード速度と数十Mbpsのピークアップロード速度を達成することができます。5Gのような新技術は、より高いピークデータレートを提供し、数ギガビットのダウンロード速度とアップロード速度に到達する可能性があります。例えば:


      4G 

      • ピークダウンロード速度: 数百Mbps (例: 300 Mbps、600 Mbps)

      • ピークアップロード速度: 数十Mbps (例: 50 Mbps、75 Mbps)


      5G

      • ピークダウンロード速度: ギガビット毎秒 (Gbps) (例: 1 Gbps、3 Gbps)

      • ピークアップロード速度: ギガビット毎秒 (Gbps) (例: 500 Mbps、1.5 Gbps)


      デバイス認証:IoTモジュールは、各地域の規制機関やネットワークオペレータによって設定された特定の要件を満たすために、規制および適合認証を取得する必要があります。このような規制は以下を含みます:: 

      • 規制遵守は、電波放射、電磁気放射、安全性に関する規制で、米国連邦通信委員会(FCC)、欧州電気通信標準化機構(ETSI)、およびインドの電気通信エンジニアリングセンター(TEC)が規制機関として関与しています。

      • オペレータ認証は、2G、3G、4G LTE、または5G技術に関してオペレータネットワーク上での互換性と正常に動作することを保証します。このような認証として、Verizon Open Development Certification、AT&T IoT Device Certification、およびVodafone Global Certificationなどがあります。

      • さらに、複数の国やネットワーク間で、世界的に認知されているグローバル認証もあります。例えば、Global Certification Forum(GCF)やPTCRB(以前はPCS Type Certification Review Boardとして知られていました)などがあります。このような認証により、IoTモジュールは幅広いネットワークや地域との互換性が確保されます。


      また、独自の要件や特定の技術に関する規制、周波数帯域に応じて、地域ごとの認証が存在する場合もあります。


      IoTモジュールのハードウェア:

      IoTモジュールを選ぶ際には、考慮すべきベンダーが指定するいくつかの重要なハードウェア要素があります。その要素とは、寸法、アンテナオプション、および温度の許容範囲に関する情報です。寸法は、単純にIoTデバイスのサイズと形状を決定します。表面実装モジュール、エッジコネクタを持つモジュール、または特定のIoTユースケース向けに設計されたモジュールなどがあります。そのため、サイズ制約、設計の特異性、利用可能なスペース、または追加要件に注意を払う必要があります。アンテナに関しては、外部または内部(内蔵)のものがあり、異なる放射パターンや上記で議論した周波数帯域、さらには受信信号強度指示子(RSSI)や信号対雑音比(SNR)などの指標で測定される異なる信号強度を持つことがあります。


      フォームファクターと温度範囲:

      モジュールのフォームファクターは、その物理的なサイズ、形状、およびインタフェースの特異性に直接関係してきます。スペースの効率を維持するためには、デバイスの筐体の制約に収まるようにモジュールを選択する必要があります。モジュールのフォームファクターとデバイスのPCB(Printed Circuit Board)レイアウトとの間には常に互換性が必要であり、そうすれば、適切な接続かつ安定性が保証されます。IoTモジュールがフォームファクターの規格を決めているかのように見えるかもしれないが、実際には業界によって決められています。これらの業界にはPCI-SIG(Peripheral Component Interconnect Special Interest Group)があり、Mini PCI ExpressやM.2などの接続モジュールのフォームファクターを規定しています。さらに、より広く採用されているフォームファクターをサポートするモジュールを選択することによって、モジュールとデバイス自体をより長く使用することができます。


      IoTデバイスの設置場所や使用目的により、環境、温度は様々である。IoTモジュールのプロバイダは、多くの場合、デバイスが過度なリスクなく機能する温度範囲を提供します。温度範囲が広いほど、モジュールは環境の変化により柔軟性を持つことになります。


      位置サービス

      位置サービスによって、Galileo、GLONASS、GPS、BeiDou Global Positioning Systemなど、様々な衛星システムを利用して、正確なデバイスの位置情報と追跡が可能になります。どのシステムを利用するかは主に地域のカバレッジ要件と既存のインフラとの互換性に依存しています。多くのIoTモジュールは複数の衛星システムのサポートを提供しています。


      組み込みソフトウェア:

      これには、IoTデバイスを適切に動作させるためのファームウェアとシステムドライバが含まれます。ファームウェアは、IoTモジュールのメモリに永久的にプログラムされ、モジュールが基本的な機能を実行するために必要なすべての命令を提供します。ファームウェアは、モジュールのハードウェアの制御、通信プロトコルの管理、データ処理、およびIoTアプリケーション特有のさまざまなタスクの実行などの役割を担います。これらの要素が、IoTデバイスの信頼性のある動作と最適なパフォーマンスを確保します。


      他のモジュール仕様には、インターフェース(USB 2.0、USB 3.0)や計画されたキャリアなどが含まれる場合があります。

  3. トレンドと数字

    1. 2021年、セルラーIoTモジュール市場は出荷量で39%の増加、売上高で54%の成長を達成しました。2022年から2023年にかけてもこの成長は続き、持続的な需要があることが証明されました。売上高においては、Quectel、Fibocom、Sunsea AIoT、Thales、Telitの5つのベンダーが市場の68%を占めています。特筆すべきことに、QuectelやFibocomなどの中国のモジュールプロバイダーは、国内IoT市場の急成長に後押しされ、世界のセルラーモジュール需要の55%を占めました。


      4G LTEが市場の中心となり、LTE Cat-1、NB-IoT、およびLTE-Mが徐々に2Gおよび3G技術に取って代わっています。中国製のLTE Cat-1チップセットは、他のLTE Cat-1プラットフォームと比較して、高い価格競争力があり、その結果、幅広い機器への採用が進んでいます。Nb-IoTモジュールの出荷は引き続き中国の国内に集中しており、国際的には、スマートメータリング産業での需要が大きいです。

      LTE Cat-1は北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域の一部でも広く普及しています。一方、LTE-MはIoTデバイスの低消費電力と長いライフサイクル要件に対する代替手段です。LTE-Mはソフトウェアのオーバーザエアアップグレードを実行できる能力を持っているため、中国以外の場所でのNB-IoTの出荷量を上回っています。また、5G NRモジュールの出荷量も、特にスマートビークルやIoTゲートウェイなど、より高速な通信が必要な場所で勢いを増しています。


       IoT SIMカードにeUICC機能の採用が進んでいます。主要なモジュールおよびチップセットのベンダーは、自社製品がeUICC技術と互換性がある保証に取り組んでいます。


      当社のガイドラインで、eUICCについて詳しくご覧いただけます

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