M2M SIMとは?IoTとの違いやM2M導入のメリットを徹底解説!

M2M SIMとは?IoTとの違いやM2M導入のメリットを徹底解説! 

ビジネスの課題を解決する1つの手段として、SIMを活用したM2Mの導入を検討している方も多いでしょう。 

M2Mをビジネス活用していく上では、M2Mが具体的にどのような概念なのか、そしてM2Mとともによく聞くIoTとの違いは理解しておきたいです。

 また、M2Mを導入することでどのようなメリットがあるのかも、把握しておく必要があるでしょう。 

ここでは、M2MやM2M SIMの基本的な概要とIoTとの違い、そしてM2M導入のメリットついて、詳しく解説していきます。  

M2M SIMとは?IoT SIMとの違い 

M2M SIMとは、そしてそもそもM2Mとは一体どのようなものなのでしょうか。 

また、近年はM2MとともにIoTも併記されている場合が多くなっていますが、それぞれどういった違いがあるのでしょうか。 

まずは、M2MとM2M SIMの概要、そしてM2MとIoTとの違いについて詳しく解説していきます。  

M2Mとは 

M2Mは「Machine to Machine」の略称で、日本語に直訳すると”機械から機械へ”という意味になります。 

もう少し具体的にいうと、機械と機械が直接かつ相互に通信を行って機械からのデータを収集したり、自動で制御したりできるようになる概念がM2Mです。 

M2Mの活用事例としては、エレベーターの遠隔監視や自動販売機の在庫管理などが挙げられます。 エレベーターの部品の稼働データから不調や故障を検知する、自動販売機の在庫数量のデータを収集し補充数量を決める、といった具合です。  

M2M SIMとは 

M2M SIMとは、M2Mデバイス同士がデータ通信できるようにするために必要なSIMのことをいいます。 

M2Mの通信にはPLCなどの有線も使われますが、近年はWi-FiやBluetoothのほか、SIMを使ったモバイル通信など無線接続が増えてきています。 

中でもWi-FiやBluetoothの接続が安定しない、距離的に不足するなどの理由からM2M SIMでのモバイルデータ通信が使われることも多いです。 M2M SIMは、一般的なSIMサービスのように月額でのサブスクのほか、プリペイドで買い切りの契約となるSIMもあります。  

M2Mと共によく聞くIoTとは 

M2M導入やM2M SIMの検討をしていると、よくIoTというワードが併記されているケースを目にすることでしょう。 

IoTとは「Internet of Things」の頭文字をとった略称で、”モノのインターネット”と訳されます。 

具体的には、モノがインターネットに接続することで、モノの状態確認のほかデータ収集、モノの遠隔操作・自動操作などが可能です。 

たとえば、エアコンがON/OFFどちらかを確認したり、ONにしたまま出かけてしまっていても外出先からスマホでOFFにしたりできます。 

また、エアコンが不調になったり故障したりする前の挙動を、サーバーに保存したログデータから分析して修理の参考にしたり、今後の製品開発に役立てることも可能です。 M2MでSIMが使われるように、IoTもSIMでのモバイルデータ通信が使われることもあります。  

M2MとIoTの違い 

M2MとIoTはモノが通信することでデータ収集や操作するなど、共通点も多い概念ではありますが明確な違いもあります。 

その最大の違いは、インターネットに接続されているか否かです。 M2Mデバイスは機械の間だけのクローズドな接続である一方、IoTデバイスは必ずインターネットに接続されます。 

そのため、IoTではインターネットに接続されたあらゆるモノやサービスと連携可能ですが、M2Mではその対象が接続している機械同士のみになります。 また、ヒトが間に入り込むかどうかも、M2MとIoTの違いの1つです。 

M2Mでは機械同士が直接通信を行うため、ヒトが間に入り込む余地がありません。 一方で、IoTの場合はヒトが入らないケースもありますが、ヒトが間に入るケースもあります。 

そのため、IoTでは融通が効く分、人によるミスなどが発生する可能性がありますが、M2Mではそのような心配がありません。 このほか、M2Mは対象が機械に限定されていますが、IoTでは特に機械など制限なくあらゆるモノが対象となっている点も違います。   

IoT/M2M SIM 

このように、IoTとM2Mは似た概念でありながら、異なった性質を持っています。 

しかし、大きな目線で見ればIoTもM2Mも同じ役割を果たしているとも言えるので、近頃はIoT/M2Mと併記して表現するケースも増えてきています。 

そのため、SIMについてもIoT専用・M2M専用と分けるのではなく、どちらでも使えるIoT/M2M SIMとして提供するSIMサービスも多いです。  

M2M導入による3つのメリット 

M2M・M2M SIMを導入することで、どのようなことができるようになり、どういったメリットがあるのでしょうか。 

具体的には、次のような3つがメリットとして挙げられます。  

  • 自動化による人的リソースの削減 

  • 生産性向上と業務効率化 

  • ヒューマンエラーの低減  

自動化による人的リソースの削減 

M2Mを導入するメリットの1つとして、アナログ作業の自動化によって人的リソースを削減できる点があります。 

これまで人が担当していた作業を、M2Mで自動化して機械に任せて省人化すれば、人的リソースの問題解決に役立つでしょう。 例えば、生産ラインの監視や不具合製品の検品作業、倉庫や店舗の在庫管理、空調設備の温度管理などが挙げられます。 

浮いた人的リソースを他の業務に回したり、新規の取り組みに注ぎ込んだりすることで、経費削減や売上増を期待できるでしょう。 

人手不足で人材の確保が課題となっている昨今、M2Mで自動化するメリットは大きいと言えます。  

生産性向上と業務効率化 

生産性の向上と業務効率化についても、M2Mを導入する上で知っておきたいメリットの1つです。 人が行うと担当者によって成果物にばらつきが出たり、効率にムラが発生したりする作業や操作が往々にしてあります。 

また、業務によっては属人化してしまい、作業の再現性や継続性がなくなっているケースも少なくありません。 

そういった業務・作業をM2Mで機械に変わってもらうことで、作業の均一化やプロセス改善による生産性の向上、業務の効率化を狙えます。 また、生産ラインにおいては作業ムラがなくなることで、生産数の予測も立てられるようになります。 

そうすれば、在庫管理の工数削減や在庫ロスを抑えて、コスト削減に繋げることもできるでしょう。  

ヒューマンエラーの低減 

M2Mの導入は、ヒューマンエラーの低減にも大いに役立ちます。 M2Mでは機械同士が直接的に通信を行うので、間に人が介在する余地がありません。 

そのため、人の判断ミスや操作ミスによって発生してしまうヒューマンエラーを低減することが可能です。 

機械から取得したデータを元にして人が操作を担当すると、どうしても体力的な面や能力的な面から、ミスをゼロにすることは非常に難しいです。 

その点、M2Mで機械に判断や操作を任せれば、迷いが生じず一律の条件下での作業を期待できます。  

M2Mを導入するならM2M SIMやIoTとの違い、メリットをよく理解しよう! 

M2Mは機械同士でWi-FiやSIMなどを使って直接通信をすることで、データ連携や自動制御ができるようになる技術です。 

M2M、M2M SIMの導入は、人的リソースの削減や生産性向上、ヒューマンエラーの低減などさまざまなメリットがあります。 

また、M2MとIoTは異なる点があるものの、できるようになることやメリットも似ており、近頃はIoT /M2Mと併記されることも増えてきています。 

言葉の意味に惑わされず、M2MやIoTの概念やメリットをより具体的に理解することで、スムーズな導入に繋げていきましょう。